RAWファイル現像ワークフロー変更

2月初旬のこの日の撮影分から現像ワークフロー見直しを試み、あれこれ試してやっと定まったので、先々変更する時(するんかい?)の為の備忘録としての長~いメモ書きです。

・新旧ワークフロー
 
変更のきっかけは"人肌の色"

・PENTAX K-5からNikon D800に移行して、他の部分の満足度が高かった分、肌の黄色さがず~っと奥歯にひっかかって

 いながらも『RAWで撮っときゃ後でなんとかなるさ』と安易に考えて、その都度調整しながら長期間放置。
・最終的な画の嗜好と機種は異なるものの、同じNikon機使いの華さんの作品の人肌表現が非常に柔らかくて美しく、
 『何でこんなに違うのよ? 何々、CaptureNX2で現像とな』とメモメモしながらも長期間放置。
・たまたま読んだこの記事でピクチャースタイルのポートレートをベースに"明るさ +1"、"色の濃さ(彩度)+1"、
 "色合い(色相) -2"で、キャノンの肌色に近くなるってんで、お試し版でアウトプットだけ比較した結果が良好だった
 (色合いは自分の場合は-1でOK)。 『これで現像スタート時点での色がある程度決まってくれれば、毎回一番時間を
 要していたHSLの色相、輝度で悩む時間を最小限にできるじゃん!』と思いながら長期間放置。
かくして、重い腰を上げて、Nikon純正のCapture XN 2への移行を決意しました。
ついでに昨年Googleに買収されて大バーゲン価格になった(元々が高価過ぎて手が出なかった)憧れのNik Color Filer
(現Google Nik Collection )もPhotoshopのプラグインとして導入。


○備忘録1 Adobe Lightroomに関して
・気に入っている部分
 - セレクトから最終出力までこれ一本で完結できる素晴らしい完成度(特に5.xからはPhotoshopの出番なし)
 - カタログを作ってしまいさえすれば、その後の管理が非常に楽
 - マウントしたポジをライトボックスでセレクトするイメージそのまんまのセレクト作業のし易さ
 - サードベンダーを含むレンズプロファイルの早期対応
 - ノイズ処理の優秀さ
 - カメラのメーカーに依存しない
・気に入らない部分
 - 色
 - まずカタログを作らないことには何も始まらない
  → 3630万画素で撮影枚数が嵩むとかなりの時間を要する。
  → 自分のカタログは現在50GB弱まで膨れ上がり2nd SSD を圧迫している
 - サイドカーファイル形式なので、ファイル、ディレクトリー操作はLRで行わないと整合性が崩れる
  → 大した手間ではないがいちいち手で直すのがめんどい
 - 明瞭度は美肌ツールとしてとても重宝するが、色での範囲指定ができない
 - サードパーティー製ソフトウェアに共通する事であるがカメラメーカーの色作りが無視される。
  → Adobe LRではデフォルトでAdobe Standardに置き換えられるので、同時記録のJPEGの方がいい色
   だったりする。それも結構な高確率で。
 - NikonとCanonに関してはカメラキャリブレーションにメーカーの代表的なプロファイルが用意されているが、
  効果が異なる(D800においては「かなり」)。カメラで設定したパラメータ変更は当然の如く反映されない。

○備忘録2 セレクトツールに関して
当初ソフトウェア間の相性とピクチャースタイルが反映される事を考慮して、Nikon View NX2でセレクト作業を
行おうと使ってみたものの、複数画像を並べて選別していく作業ができず、LIGHTROOMでの効率のよいセレクト作業に
慣れた身には、ファイル間を行ったり来たりでめちゃくちゃ時間がかかったので、NXMPによるラベル、レーティングを
サポートしておりCapture NX 2と互換性のあるAdobe Bridgeでのセレクトとなりました(ピクチャースタイルは反映
されないけど)。 Photo Mechanicもいいですね。
 
○備忘録3 移行直後の現時点でのインプレッション
Capture NX 2に実装されているコントロールポイントという元々のNikのテクノロジーを『てきと~っぽくね?』っと、
食わず嫌いしていましたが、使ってみるとPhotoshopで複数レイヤーを作ってやることが、いとも簡単にできてしまう
のに感動しました。 少なくともスキルの低い自分が作るPSのマスクよりも遥かに正確なマスキングを自動でやって
くれちゃいます。
2月,3月の朱宮さん強化月間と重なり、短期間にかなりの数の現像をしてCapture NX 2には慣れましたが、機能が多彩で
デフォルトパラメータが効果過剰なNik Collectionに関しては全く使いこなせておりません(凄いのは分かってるんですが)。
今回のWF変更の最大目的であった"色"に関しては、環境光が安定した場面では迷いが最小限となり満足しています。
難しい環境光だと結局は試行錯誤で追い込むしかなんですけど。
 
 
○備忘録4 近未来の問題点
Capture NX 2までのNikonの現像ソフトの委託開発先であったNikがGoogleに買収され、この夏予定のCapture NX-D
正式リリースに伴ってCapture NX 2のサポートが終了してパージョンアップがなくなる為、その後にリリースされる
ボディ、レンズがサポートされなくなる。
Capture NX-Dはお試し版をちょっと触ってみましたが、もしこのまま小変更で正式リリースされちゃったら
将来的にも色温度を調整してTIFFに渡す用途以外で使うことはないですね(旧来からのNX2ユーザからは、色々な観点から
世界中でボロクソに叩かれてますね・・・当然でしょうけど)。
将来が無いというのは不安ではありますが、思いのほかCapture NX 2が素晴らしいので、行ける所まで今のWFで
行きながら、Capture-NX2でやってることを、徐々にNik Collectionに移行していきたいと思っています。
Capture NX 2購入からひと月も経たずに、Capture NXーDの発表とNX2のサポート終了が発表された時には
『しまった!』と思いましたが、NX-Dを触ってからはあまりのひどさに『買える内にNX2買っといて良かった~』
と思っています。
GoogleはSnapeedが欲しかっただけで、マーケットの小さいRAW現像ソフトなんて興味ないんでしょうから、
NikonがGoogleに札束積んで頭を下げて特許使用を許諾してもらえることを密かに願ってます・・・まぁ、期待薄ですが。
 
 
○ LightroomとCapture NX 2のアウトプットの差異・・・どうしてもこの方に登場願ってしまいます(^^ゞ
 
ノーレタッチ、ストレート現像
(後処理前提で暗めに撮ってますがLRの方が取り込んだ時点で明るくされちゃうんですね・・・知らなかった)

★Adobe Lightroom(取り込んだ時点で、色温度:4850、色かぶり補正:+19)
 左から、カメラキャリブレーション: "Adobe Standard" → "Camera Portrait" → "Camera Portrait"からHSLの色相調整(以前のやり方)

LR DSC_6794

 
 
★Capture NX 2(取り込んだ時点で、色温度:4955、色味:-0.55)
 左から、 ピクチャーコントロール:
 "スタンダード" → "ポートレート" → "ポートレート"に"色の濃さ:+1"、"色合い:-2"(変更後のベース)
NX2 DSC_6794
 
上記Capture NX 2の右端から新ワークフローで3分レタッチ(実際には5分掛ったけど)をすると↓の現在の基準画像です。
現像スタート時点での色基準が定まっただけっちゃ、だけなんですけど、自分にとっては迷いがひとつ減った意味合いは
大きいんです~。
Edited DSC_6794
ちょ~かわいい! い、いや、今回はそういう趣旨の記事ではないのですが。
『休日に長い記事書いてね~で撮りに行けよ!』って? そ、そ~なんですけどぉsweat_smile

COMMENTS & TRACKBACKS

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  1. 私もポトレの場合ではNX2のピクチャーコントロールはポートレイトで、シャープネス2~3、色の濃さ0~+1、色相0~-1です。
    View NX2で「複数画像を並べて・・・」とのことですが、ウインドウ下にフィルムストリップを表示してレーディングやラベル付け後に絞込みでは駄目ですか?
    (意図していることが違うかもしれませんが・・)

    そうですね!
    Capture NX2を使い込むとView NX2とCapture NX2+Nik(Plug-in)だけで99.9%は完結です。
    残りの0.1%は車のナンバープレートの番号を消すとか、想定外に写り込んでしまった遠景の人物を消すとかでPhotoshopを使うくらいです(笑)
    LRは使ってはみたものの、自分にはしっくりきませんので毎回updateだけして放置状態です。

    無償になるとはいえ、Capture NX2の目玉を抜いてしまったCapture NXーD、どうにかして成って欲しいですが・・大人の事情で無理なんでしょうかね~

    朱宮さん、やっぱり可愛い!
    上海エレジーの一節を・・・
    昔栄えた街に
    大陸の風が吹く
    ああ ああ 不意のノスタルジア
    上海 DOLL 異国の
    上海 DOLL 女の子

    もうすぐ五月です・・5/18の一家オヤジ大集合を楽しみにしています。

  2. Kazuさん、こんばんわ~。

    私も現像はLRで行っていますが、
    白目、歯の調整もしていたのですね。
    歯はたまにイジったりしてましたが、
    目は修正した記憶がありません(^^;
    これだと、結構な時間がかかっていたのかな~
    と思います。

    カタログの容量って、
    C:\Users\locke\Pictures
    配下のファイル全部でしょうかね。

    D800を使っていた頃は、
    LRだとカメラ設定が無視されるうえに、
    D800のRAWがメリハリのない画だったせいか、
    結構な修正を行っていたと記憶してます。
    (当時はカラーチェッカーパスポートも使ったりしてました)

    色は本当に難しいですよね。

  3. >華さん、

    色々とアドバイスありがとうございました<m(__)m> Kodachrome64からVelvia50に行ってしっくりこずにPROVIA100で目覚めた時の感覚です~(当時は風景だけでしたが)。
    セレクトはBridgeで色を反映しないというのがまだ引っ掛かってるので、引き続き試行錯誤してみようと思ってます。

    私は既にNikをNX2のPlug-INとして購入できなくなくなってからのNX2導入なので、NX2で完結できる(PSに渡す必要のない)華さんが羨ましいです~。ってか、当時はNikだけでPSより高価だったんで手が出ませんでした(^^ゞ
    今回のNX-Dの件はSWを軽視してきた方針に(Nikonだけではないですが)付けが回ってきたような感じですね。CanonのDPPは自社グループで頑張って正常進化してますからね。
    市川さんに頼らねばならぬほど自社リソースが無いってのは悲しいです(>_<)

    「上海エレジー」ありましたねぇ~。思わずYouTubeで南こうせつの歌声に浸ってしまいました(^^)
    『上海DOLL 想い出さ~♪』って、どうなることやらではありますが、まだ想い出にするつもりは無いんです~(^^ゞ

    こちらこそ、5/18はさんちぇさんも復活されるようなので、久々の一家オヤジ大集合を楽しみにしています!(^^)!

  4. >ロックさん、

    ありがとうございます。
    白目、歯のホワイトニングはアップじゃないとやりませんけど、LRが5.xになってからは補正ブラシで1,2分程度の作業です(やり過ぎると違和感が出るので気持ち程度です)。
    カタログは「編集」→「環境設定」→「一般」→「カタログ設定」→「一般」の"場所"にあるファイルで、.lrdcatや.lrdataです。私は知らず知らずの内に肥大しててびっくりしました。

    個々人の好みが千差万別なので、ホントに色は悩ましいですよね~。それ故に色遊びは楽しいとも言えるのですが。 いじりだすと自分の体調や気分で一定しないし。
    大多数のモデルさん達が好む色が自分の嗜好とは異なるので、余計に悩ましいです~(>_<)

    もしや、今やCanon一本になったんでしょうか?

  5. 現像レシピ完成おめでとうございますぅ僕はアンシャープマスクと抜けが決まらず苦労していますぅ
    DPP が実はその辺の調整が良く出来ていてノイズレスな優れた現像ソフトだと思いましたぁ ただ色味の調整は扱い辛いのでぇ RawTherapee での研究頑張りますぅ
    今後の Nikon 現像は悩ましいところですねぇ 僕はレタッチ含めての現像なのでぇしばらくは様子見で頑張りますぅ
    朱宮の髪の繊細さにお肌の艶が美しいですぅ 狙い通りな現像出来て羨ましいですねぇ

  6. >ちばっちさん、

    ありがとうございます~。
    私はメーカー色からの微調整でほぼ満足できる基準色になりそうですが、ちばっちさんの場合はマルチメーカーの色に拘らず1から自分の色を作られているので、大変そうですが完成した時の達成感はひとしおでしょうね、近々拝見できるのを楽しみにしてます!(^^)!
    DPPは間違いなく正しい方向に正常進化してるようですね。Nikonにも見習って欲しいものですが、一朝一夕には追いつけないので、取り敢えず今はこれまでのユーザ資産を無視する方針を撤回してくれることを願うばかりです。
    朱宮さんのお肌はいじらなくても綺麗なんですよね~。「上海DOLL」のいかした版です~(^^)

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