2013/09/15(日)~16(祝) 美マージュTOKYO 旅撮 西伊豆編 PART-0 prologue

(PART-0 ということでイントロ、ってか思い出日記です)
初の「特別警報」が発表され日本各地に記録的雨量を齎した台風18号直撃の最中、美マージュTOKYO初の旅撮となる西伊豆での撮影会に参加してきました。
その名も『フォトストーリー「竜宮島のアヤ」&「激アツ廃墟ツアー」西伊豆編』!! 豪華二本立てですsmile
モデルさんは第一群の清水彩香さんソロ出演heart_eyes
前日9/14(土)の天気予報では台風直撃で、撮影予定時間帯は全て umbrella !・大 umbrella !・ umbrella
それでもO型おひつじ座の典型的な前向き思考(「何も考えてない」ともいう)で『俺は晴れ男の筈だから、なんとかなんだろ!』と何の根拠もなく、大量の着替えとタオルを持って出陣。
15日(日)朝の往路の東名高速では50km規制の中、追い越し車線に対してフェンスの向こうの反対車線から時折吹き上げる、水しぶきと言うより巨大な水の塊を何度か浴びて、ビビッて中央車線に移動して大人しく走りながらも、フロントバンパーが車線どまん中に落っこちてて急ハンドルを切るような、あまりの雨脚の強さに『もちかして中止の連絡入っちゃう? それは・・・勘弁~!!』と思いつつ、沼津ICで高速を降りると『えっ?嘘でしょ?』って程のド・ピーカンsunny
16日(月)の朝はさすがに直撃そのものの嵐でしたが、正午には一転してまたしてもド・ピーカンsunny
結果的に記録的な台風の最中ながら、16日(月)の午前中以外は青空撮影会となりましたsmile
主催者の道川さん、サポートしてくれたおーくん、2日間ご一緒させてもらった、ちばっちさん、d12takaさん、しゅんざわさん、そして目茶目茶厳しい環境で台風にも苦手な虫にも負けず、ほぼ休憩なしで素晴らしいパフォーマンスを披露してくれた清水さん、
お疲れ様でした。 そして、ありがとうございました<(_ _)>

現地天候推移
1. 9/15(日)10:40am 待ち合わせの廃墟前到着時

2. 9/16(月)10:35am 宿泊先の民宿近くの海岸

3. 9/16(月)11:30am 廃墟屋上から・・・台風前と海の色が違いますね。

今回の秀逸なフォトストーリーシナリオですが、近日中には美マージュのHPから終了したイベントとして削除されるので、自分用のLOGとしてコピペさせてもらいました(道川さん了承済み)。
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 僕は某リゾート会社の社員で、この夏、社用で西伊豆のトある漁村を訪れた。
大小の入江が連続する海岸線、穏やかな海のさざ波の輝き、この西伊豆独特の美しい風景は、見る者を惹き付けて止まない。
僕は小さな入江に止まり、社に提出するための写真撮影を始めることにした。
白いヨットと青い空のコントラストが鮮やかで、ぐぐっと写欲がそそられる。
夢中になってカメラのシャッターを切っていると、ファィンダーの中に長い黒髪の女性の、美しい横顔が飛び込んできた。
年頃は二十歳を超えたばかりだろうか、彼女は身じろきもせず、ただじっと水平線の彼方を眺めているようだった。
海沿いの美しい景色の中に、美女が加わると、その景色の美しさは更に輝きを増す。
不覚にも、僕はシャッターを切ることも忘れ、呆然と見とれてしまった。
彼女はサングラスを外し、突然向きを変えてカメラに目線を移した。
黒曜石を思わせる大きな瞳がファインダー越しに僕を見つめ、彼女は軽やかな微笑みを投げかけた。
 「私、乙姫アヤ…アヤと呼んで。」
「きれいな名前だね。」
「ありがとう。私のお産の時、生まれたばかりの私が七色の光彩に輝いていたらしくって。で、母が彩って名づけたの。それから出生届を出しに行った父が漢字を思い出せなかったらしくて、カタカナでアヤになっちゃったの、笑えるでしょ。」
出し抜けに、大きな口をあけてアヤは笑った。
外見の美貌と余りにも気さくな現代っ子気質が同居していて、不思議な違和感があった。
「アヤさんはここで誰かを待ってるの?」
「ううん、干潮にならないとお家に帰れないの。」
「え?」
言葉を返す間も与えずにアヤが続けた。
「で、あなたは?」
「あ、僕は短期の単身赴任で来ていて、今日が初出社。名前は島太郎。僕のご先祖様もこの辺りの出身らしんだけど、ここに来たのは初めて。」
「ふーん。じゃ、明日から私が案内してあげる。その代わり、私に恋をしちゃダメよ、絶対に。」
「どうして?」
「そのほうが二人の関係が安定するからよ。」
半ば強引に丸め込まれた感はあるが、正直、美しい女性の旅の道連れが出来ることは、大歓迎だった。
僕たちは携帯の情報交換をして、今日のところはその場で別れた。
 「アヤ、分かっておろうな?掟は守らねばならんぞ。」
「承知しております…。」
「あのよそ者をニエとせずに何とする。」
「ですが宮司様、申し上げたいことが…」
「しかと決心をつけてから参れ。それまでは顔も見とうないわ!」
宮司はアヤの言葉を断ち切って、吐き捨てるように言い放った。
深々と頭を下げるアヤの表情はこわばり、青ざめていく。
 今日も絶好の撮影日和だ。
しかし、約束の時間が経ってもアヤが姿を現さず、待ちぼうけを食らった僕の目には、朝日に映える美しい西伊豆の景色もどんよりとした風景に見えてきた。
「島さーん!」
声の方に振り向くと、アヤが手を振って小走りに駆け寄ってきた。
彼女が一歩近づくにつれ、景色は色彩を取り戻し、鮮やかに蘇って見えた。
「ちょっと立て込んでて、なかなか家を出られなかったの。」
 アヤが案内してくれるロケーションはどこも美しく、たった数日で期待通りの資料が揃ってきた。
勿論、アヤのスナップ写真の数も相当な量に達して、時には主客顛倒し、アヤの写真ばかりになった場所もあった。
アヤの話は新鮮で、どこで知ったのか、ロケーションにまつわる伝説や秘話を次から次へと披露してくれた。
また、話に熱中した時の彼女の処さが可愛らしく、つい、うっとりと聞き入ってしまう。
これはもう、仕事なのか、デートなのか分からないほど楽しい。
 アヤとの取材旅行も残り二日となった。
この日は、周辺観光の目玉の一つに挙げられる、洞窟の名勝地に行く予定だった。
いつもはつらつとして、周りを明るくしてくれるアヤだったが、この日の始まりはどこか物憂げで、海を眺めながら、小さくため息をもらす事が度々あった。
願わくは、アヤと過ごしたこの時間を最後まで楽しい思い出にしたい、僕はそう願い、努めて陽気に振るまった。
「あの洞窟には竜の伝説があるらしいね?」
アヤはチラリと僕を横目で見て、すぐに目を逸らしてうつむいた。
「竜の怒りを沈めるために人身御供の儀式が行われていたらしいね。あくまで伝説らしいけど…ハハ。」
アヤの関心を誘うことに失敗したと見て、僕は語尾に白々しい笑いをつけて言葉を濁した。
すると、アヤは急に顔を上げて、きっと僕を睨み付けた。
「もしもそれが伝説じゃなく、今も引き続き行われている儀式たったとしたら…生け贄にされる人のことを思うとどう?鼻で笑える?」
アヤは射るような目付きで僕を見つめ、語気を強めて返した。
その迫力に圧されて、僕は言葉も返せず口をつぐんでしまった。
「…。」
「冗談よ、ハハハ。島さんたらキョトンとしちゃって。」
アヤは目尻を指で押さえ、体をくの字に曲げながら大声で笑った。
毛穴から汗がどっと吹き上げ、胸がバクバクと高鳴りをあげた。
「そんなに涙が出るほど笑わなくてもいいじゃないか!」
空回りもしたが、なんとなくいつもの雰囲気が戻ってきた気がして、僕はほっとした。
「ねぇ、どこかで美味しいものでも食べに行かない?」
「そうだね。」
彼女の気が晴れるなら…否、これも仕事の内、と自分に言い聞かせながら、僕は仕事をほっぽり出して、アヤのお勧めスポットに案内してもらうことにした。
 「奇麗でしょう?」
そこは、大きな窓ガラス越し一面に広がる、オーシャンビューが売りのシーフードレストランだった。
アヤは水平線が心底好きなんだな、と納得。
「私さ、この辺りから外に出たことがないの…。」
「えっ、一度も?」
「小さい時に一度、海岸線をずっと一人で歩いてて、内陸の方に入ってゆく道の前まで行ったことがあるの。でもね、親にバレたら怒られると思ったら、急に怖くなって先に進めなかったの…。だって、よそ者にさらわれたら二度と戻れないって脅されて育ったのよ。」
干潮の時間にならなければ行き来ができないへんぴな住まいといい、この小さな漁村に閉じ込められて生活することに不可解な使命感を抱いている人生観といい、アヤの謎めいたキャラは彼女の魅力を一層際立たせている。
「アヤが望むなら、いつでも僕が連れてってあげるよ。」
「ほんと?」
大きな瞳を輝かせてアヤが身を乗り出して言った。
そうしたかと思うと、大きくため息をついて、直ぐに目を伏せて押し黙ってしまった。
「アヤ?」
無言のまま、アヤの白い手がすっと対面に座っていた僕の手の上に重なった。
ひんやりとした、か細い指先が優しく滑るように僕の手の甲を撫でる。
そして、艶やかな薄紅色の唇がゆっくりと開いた。
「それとも…私のお家に島さんを招待しようかしら。」
「うん、行ってみたい。」
迷うこともなく、僕は即答した。
伏せられていた長い睫毛がゆっくり見開いて、アヤの瞳が僕の眼の上に重なったかのように思えた。
アヤの瞳は、今まで見たこともないほどの輝きに満ち溢れ、一瞬にして僕を虜にした。
そして、その中の僕は、満天の星空に魅入る子供のような、あるいは、母に抱かれて健やかに眠る、乳のみ子のような安らいだ気分に満たされてゆく。
図らずも、この幸福感を永遠のものにしたい、そう願うのは、人して至極当然のことのように感じた。
途端に、抑えていた感情が爆発した。
「アヤ、好きだ。」
アヤの大きな瞳から一筋の涙がこぼれ落ちてゆく。
「島さん、私に恋しちゃだめって言ったじゃない。」
「えっ!?」
アヤの優しい微笑みが、みるみる悲しい笑顔に変わってゆく。
「島さん、短いあいだだったけど、ありがとう。島さんに外の世界に連れ出してもらいたかったけど、私にはやっぱり無理みたい。これで…お別れね。」
そう言って、アヤは僕を見つめたまま、僕の手に添えていた自分の手をゆっくりと引き離した。
 気がつくと、僕は小さな入江の波打ち際に横たわり、ずぶ濡れになって震えていた。
ここは、岩山の真ん中の洞窟から海水が流れ込み、その水が溜まってできた小さな入江。
なんとも不思議な空間だ。
まるで、海の世界に通じるプラットホームのような印象を抱く。
遠くの方で救急車のサイレンの音が近づいてくる。
洞窟の奥の方が緑色に輝いている。
あれは!?
今日アヤと見に来る予定だった洞窟?なぜ!?
一瞬のうちに記憶を遡り、居るはずの場所に自分がいないことに頭が混乱する。
そして、最後の記憶は、アヤの悲しい微笑み…。
この時、僕は初めてアヤがいないことに気がつく。
「アヤ!」
叫んだつもりだったが、声に力が入らず、ただ呻いてるようにしか聞こえない。
洞窟の奥の光が消えかかっている。
突然、僕の脳裏に「…今も引き続き行われている儀式たったとしたら…」そう言った後、泣きながら笑ったアヤの姿が過ぎった。
救急隊員の人たちが物々しく駆け寄ってきて、僕を担架に乗せた。
すでに、洞窟の中はすっぽりと暗闇に包まれているのが見えた。
 僕がアヤと出会ったのは9月16日のお昼前、僕が入江で保護されたのが9月16日のお昼過ぎ…わずか1,2時間の出来事。
首にかけていたカメラを無くしてしまった今、アヤと過ごした濃密な数日間の出来事を説明する手立てはない。
ずぶ濡れになったズボンの中の携帯電話から唯一救出できたアヤの写真。
事情聴取を担当した警察官によると、この写真が事を複雑にしているという。
 あれから3年、9月16日は毎年この洞窟を訪れる。
いつか、アヤに出会えそうな気がするからだ。
浜辺に腰をかけた僕の横に歩き始めたばかりの小さな女の子がちょこんと座った。
大きな瞳を輝かせて、僕ににこりと笑顔を向けた。
後ろの方で、女の子を呼ぶ声が聞こえた。
「アヤちゃん、行くわよ。」

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既にへろへろ状態ですが、「1枚位は載せときたいなぁ」と思ってたら、や~っとLIGHTROOMのカタログ作成が終了したので、本日3度目の寝落ちの前に。

も・もうだめだ、Zzz...

COMMENTS & TRACKBACKS

  • Comments ( 2 )
  • Trackbacks ( 0 )
  1. 初のお泊まり撮影会ぃお疲れ様でしたぁ 少人数で撮れて更に清水ちゃんと親しくなれた感じで楽しかったですねぇ
    美マージュの募集内容も撮影会が終わると見れなくなってぇ少し残念に思っていましたがぁ Kazuさんのところで振替えれてありがたいでうぅ
    特殊な環境で撮れる機会は少ないのでぇ最高の思い出になりましたぁ

  2. >ちばっちさん、

    こちらこそ記念すべきイベントお疲れ様でしたぁ!!
    ホントに全ての危惧と不安が杞憂に終って、かつ期待を上回ってくれるという、類稀な撮影会でしたね。
    清水さんの「おもひで」の一コマの端っこにちょろっと居られただけで幸せですぅ!(^^)!

    ホントはgifアニメごととも思ったのですが、さすがにそれは!?と思ってtextと抜出しjpegだけにしましたが、お役にたてて何よりですぅ!(^^)!

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